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アマチュア無線局 7M2MZO

430FMで低山ハイキングを兼ねた移動運用を楽しんでいます。

スモール・ループアンテナ

(1)はじめに
 430MHz帯での寸法図をネットで見つけ、手持ち材料で作って見ました。パイプを円形に曲げるのに、手近にあったガラス瓶に沿わせて曲げた結果、ネットで見つけた寸法図よりも少し大きめの、φ5銅パイプのメインループの直径が100mm。φ2黄銅線の給電ループの直径が約φ65mm(下の写真の横方向での直径です)になってしまいました。
Q全体
 給電はメインループの銅パイプに、外部導体部分を半田付けしたBNC-Jコネクタで行います。給電ループの一端は、BNC-Jの中心導体に半田付けし、他端は、BNC-J近傍の銅パイプに半田付けしています。給電ループが動くとSWRが変化する様でしたので、コネクタ付近を、2液エポキシ接着剤で固めました。
Q給電部2
(この写真は、アンテナ完成後にエポキシ接着剤を剥がして撮ったものです)

(2)調整がとても微妙でした。
 このアンテナのSWRは、メインループの開口部のコンデンサ容量を変えて調整するとの事でした。作りっぱなしの状態では、メインループの開口部はφ5銅パイプの切断面が3mm程度の間隔で対向する状態で、SWRを測定すると422MHz付近で1.0でした。開口部の間隔を1mmほど広げると、445MHz付近で1.0になりました。あまりに微妙で、開口部を確実に固定する必要があると思いました。

 開口部を小さい短冊状のアクリル板2枚で挟み、木綿糸をきつく巻いた後に、開口部の間隔を微調整して433MHzでSWR1.0としました。そこで、木綿糸を瞬間接着剤で固めたところ、SWR最低値が430MHzに下がってしまいました。開口部はもう動きません。ヤスリで銅パイプ切断面を削って再度433MHでSWR1.0とし、固定を更に確実にする為に木綿糸の上からエポキシ接着剤を盛り、翌日に測定すると、今度は、428MHzでSWR1.0。もういちどヤスリで調整した後の開口部が下の写真です。調整後のSWRは432MHz~434MHzで1.1以下。SWR最低値は433MHz付近で1.0でした。
QのC部2
(3)性能は?
 いつものように、かなりイイカゲンな簡易電界強度計で、測定してみました。ループ面に直角方向かと思ったのですが、ループ面に平行で、開口部の方向に指向性がある様です。

   送信出力1W 距離2.5mでの 電流計の最大値
    スモール・ループアンテナ :  22μA
対照用に測定したJ型アンテナ:  36μA

 思っていたほどには良くありません。給電部や開口部に盛ったエポキシ樹脂が悪さをしていないか? 念のために、コネクタ付近及びメインループ開口部の接着剤やアクリル板などを取り除いてSWRを再調整し、測定しましたが結果は同じでした。

(4)その他
(a)ループの最適寸法は?
 メインループや給電ループの最適寸法の計算式の様なものを期待して、ネットや雑誌の記事をもう一度探して見たのですが、見あたりませんでした。ただ、「メインループの円周長は 波長の1/3以下とするのが良い」という記事が唯一でしょうか? 430MHz用の製作記事では、メインループの直径が今回作った物の 1/2の50mmの製作例があり、給電ループの寸法についても、いろいろな大きさで作られている様です。今回作ったものも、参照した製作記事とは寸法が異なりますが、ナントカ動作はします。適当に作っても機能するアンテナなのか?最適な寸法で上手に作ると高性能なアンテナになるのか? 自力で確認するしかなさそうです。

(b)ループの材料
 製作記事の中に、ループの材料として帯状の銅板を使ったものがありました。板材の方がパイプよりも曲げやすいと思います。ループ八木に使った帯鋼は、簡単に円形に出来るので良いかも知れません。開口部のコンデンサは適当な距離を開けた重ね巻きにして、、、このアンテナの特徴として、ループに大電流が流れるそうですが、ハンディ機で1W程度の出力なら発熱も少ないのでは?

(c)調整があまりに微妙で
 メインループの開口部の僅かな変形でもSWRが最低値になる周波数が動きます。メインループ自体の変形も大きく影響する様です。給電ループも、やはり変形するとSWRが変化しました。ハイキング兼の運用では、他の荷物と一緒にザックに詰めて運搬する事や、運用時にアンテナに雨滴が付く事もあり、使用はムズカシイと思います。

(d)今回の対照用に使用したアンテナ
 J型アンテナ(全長536mm)です。(写真は J の字の裏返しですが) もし必要でしたら、本ブログの以前の記事をご参照下さい。
J型アンテナ伸張

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430用 1λヘンテナ

(1) はじめに
 全長70cmのロッドアンテナを入手しましたので、1λヘンテナを作りました。
433MHzでの1λ=300/433*1000≒693mmから
 ヘンテナの縦方向長さは、1/6λ*0.98≒113mm
  ヘンテナの横方向長さは、  1λ*0.98≒679mm
       
横方向長さは、縦エレメントの取り付け上の都合で、計算値より長い、ロッドテナいっぱいの700mmとしました。SWRの値を見ながら調整エレメントの位置を調整し、下に示す寸法でSWRは1.2でした。
1λヘンテナ寸法2

(2) 製作
 使用したロッドアンテナは4段で、根元側の太い方がφ7、先端側はφ4で、1段あたりの長さは155~180mmです。左右の重さのバランスを取るために、写真の上下2本のロッドアンテナは 先端側-根元側 が逆になるように配置しました。写真の下は前回作成した2/3λヘンテナで、上下のロッドアンテナの 先端側-根元側 は同じ向きです
ヘンテナ
 給電部です。
給電部
 縦方向のエレメントは給電部と同様にφ1.5のステンレスワイヤロープを使用し、ワイヤロープの末端に取り付けた圧着端子を細い銅線でロッドアンテナに縛り付けて半田付けしました。

 折り畳むと下の写真のようになります。長さは37cmです。段数の多い(1段あたりの長さが短い)ロッドアンテナを使用すればもっと短く収納出来ると思います。縦エレメントに使用したステンレスワイヤロープは113mm程度の長さではかなりの弾性があり、写真の様に2本のロッドアンテナを束ねておかないと、ワイヤロープの弾性でアンテナは平面状に開いてしまいます。おりたたみ


(2)性能比較
 簡易電界強度計とアンテナの距離は約2.5m、送信出力は、古いハンディ機を持ち出して来て使用し、0.35Wです。今回の1λヘンテナと、前回の2/3λヘンテナをそれぞれ、セロテープで竹棒のマストに固定し、直接給電で簡易電界強度計の電流計が最大に振れた時の読みを記録しました。

           送信出力  0.35W        
  1λヘンテナ          20μA
2/3λヘンテナ          12μA      

上記のように、1λヘンテナは2/3λヘンテナよりも明らかに優れる様です。 尚、以前の記事でも説明しましたが、使用している簡易電界強度計は、周囲に電器製品などもある狭い室内で、金属製のハシゴに沿わせて設置されており、室内で妙な電波の反射もあるようで、理想的な測定からは、ほど遠い状態ではあります。
 
(3) その他
(a)実用上の支障はありませんが、SWRは、433MHz付近で1.2程度で、すっきり下がった とは少し言いにくい状態でした。 アンテナの横方向の内寸を前記の様に、ロッドアンテナへのエレメント取り付けの都合で700mmと(計算値は679mm)大きくしています。念のために(ロッドアンテナ使用ですから)20mm程度横寸法を縮めてみましたが、あまり変わりませんでした。

(b)2/3λヘンテナは縦方向のエレメントにφ3黄銅パイプを使用し、折り畳み時には正四角形に近い状態になりました。1λヘンテナの場合は、折り畳んでもかなり横長の長方形となり、リュックサックに入れての運搬時に変形する恐れが大きいと思い、縦方向のエレメントを、折り曲げのクセが残りにくい、繰り返し曲げに強いステンレスワイヤロープにしました。ただ、今回使用したφ1.5のステンレスワイヤロープは前記の様に弾性が大きいので、曲げにくく、収納には不便です。しなやかに曲げられる、φ0.8~1.0の細めのワイヤロープを使用した方が良さそうです。

  いずれにせよ、分解すると「棒」になる八木系のアンテナと異なり、二次元?のアンテナは折り畳みが厄介です。コネクタやネジで「棒を組み立てる」事も考えましたが、組立が煩雑になります。ワンタッチジャンプ傘の様なやり方が無いものか?

(c)利得を上げるのに、横長のヘンテナを2個作って上下にスタックするのと、3エレくらいの多エレにするのと、どちらが手軽か? 折り畳み&収納については、どちらも同様に「やりにくい!!」ですが、上下スタックの方が幾分良いかも。


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