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アマチュア無線局 7M2MZO

430FMで低山ハイキングを兼ねた移動運用を楽しんでいます。

430MHz用 SUPER J POLE ANTENNA

(1)はじめに
 英文のHPで、SUPER J POLE ANTENNA の記事を見つけました。通常の3/4λのJ型アンテナにスタブを介して1/2λのエレメントを2段追加したものの様です。430MHz用J型アンテナは以前作って、良い性能でした。私は読解力が無くて英文は読めませんが、HPの図を参照して作ってみました。
1 伸張時

 寸法はSWRの調整をする中で、HP記載の寸法とは少し異なってしまいました。HP記載の寸法は435MHzでの設計寸法である事と、給電方法をMain element 及び Matching stubの下部に同軸ケーブルの直接半田付けする方法からBNC-P117コネクタを使用する方法に変更した為かも知れません。尚、Matching stub及びTuning stubの寸法(線長)はHP記載の寸法のままです。 下図は出来上がりの寸法(図を横にしています) 全長は1317mmになりました。

2  super J寸法

3 給電部
BNC-P-117コネクタの芯線側に Main element を、外被側に Matching stubを接続して 給電しています。 Main element及び Additional sectionはジャンク品のロッドアンテナを使用、Matching stub はφ3黄銅線です。

4 スタブ
2個の Tuning stubは、φ3黄銅線を賞味期限切れになった海苔の佃煮のガラスびんに沿わせて曲げて作り(仕上がり外径は約φ60になりました)、φ5樹脂パイプ(写真で白く見える)を木綿糸で縛り付けて補強しています。


(2)測定
(a)SWRは430~437MHzで1.1以下でした。(Main element 及びAdditional section
の長さを修正して調整しました)尚、Additional sectionを追加する前の、Main element
とMatching stubだけの状態(通常のJ型アンテナの状態です)でSWR調整を行った
ところ、Main element長さ500mmで433MHz付近のSWRが1.0でした。 

(b)簡易電界強度計での測定
いつもの再現性が怪しい自作の簡易電界強度計での測定。出力350mw、距離2.5m。
比較用に、以前作ったJ型アンテナ(本ブログ’08.05.03の記事を参照下さい)を使用しました。
            電界強度計の電流計の指示値 
    J型アンテナ   25μA  
   SUPER J POLE    76μA  

まるで、図った様に SUPER J POLEがJ型アンテナの、約3倍になりました。Additional section の効果が出ている様です。この長さの垂直型アンテナとしては良い数値です。

5 J型アンテナ伸張
比較用に測定したJ型アンテナです。給電はBNC-P-117コネクタを使用しており、今回もこれと同様に作りました。全長は536mmですが、Main elementはロッドアンテナを使用しており、縮小寸法は185mmです。

(3)その他
(a)J型アンテナは、かなりポピュラーなアンテナの様で“J POLE ANTENNA”で
検索するとたくさんのHPが見つかり、色々な変形版も紹介されている様です。

SUPER J POLEは、Additional sectionをひとつ追加したものと、今回作成した様に
2個追加したものがありました。J型アンテナを鏡対称に上下に連結した
CUPPER CACTAS (DOBLE J POLE)というのもありました。その他に、
144/430 DUAL BAND J-POLE ANTENNA Jなど、まだあるかも知れません。


(b)参照した英文HP記載の各エレメント長さと、今回の作成寸法を併記します。

   HP記載寸法(λは435MHzの k:短縮率0.97)   今回の作成寸法 
   Main element   502mm (0.75λ*k)    475mm
Matching stub   167mm (0.25λ*k)     167mm
Additional section  349mm (0.50λ*k)(注)   386mm及び410mm
Tuning stub  349mm (0.50λ*k)(注)   349mm
Feed point Approximately 10-30mm from bottom    BNC-P117使用

(注)λ=(300/435)*1000 として、このふたつは、0.5*λ*0.97=334mmに
なるはずですが?? これ以外のエレメントの長さは計算通りの値です。


(c)今回のアンテナ作りも拙速という感じで、SWR調整の過程でエレメントを
延長した為、ロッドアンテナで作ったのに、縮小寸法は670mmとなり、
ハイキング兼の移動用には、不適当な長さになりました。新たに作り直す
と、縮小寸法は500mm程度に出来そうですが、登山用ザックに収納する
には、2分割にする必要があります。

分割せずにザックに入れる事を主体に考えて、Additional sectionを1段
のみにする手もありそうです。逆に、利得向上を狙って更に多段にする手も
ありそうです。ただ、段数を増やした事で利得が向上する「効率」は、
段数の増加と共に下がるのではないかと思いますが。

 Tuning stubは、φ3黄銅パイプでは強度不足と思い、φ3黄銅線で作り
ましたが、一番先端のエレメントがφ2径のロッドアンテナに対しては
重すぎる感じです。φ2ステンレス線に変えた方が良さそうです。

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430MHz用 6ele MOXON ANTENNA

(1) はじめに
  MOXON ANTENNA PROJECT と云うHPの記事を参照して、2エレ及び5エレのモクソンアンテナを作ったところ、性能は良さそうでした。(本ブログの ’08.12.13 及び ’08.12.25 の記事をご参照下さい)

 アンテナ設計ソフトMMANAに2エレ及び、5エレのモクソンアンテナの実際の寸法データを入れて、計算して見たところ、SWRの値は大きめですが、一応計算値は出ます。エレメントを追加して、エレメントの位置を変えてみると、やはりSWRの値は大きめですが、一応エレメント数の増加に対応して利得が増加する計算値が得られました。(下表)
1 モクソン計算値

 ものは試しで、MMANAに入力したエレメント寸法で6エレを作ってみました。
2 6モクソン全体

 MMANAに入力した6エレ・モクソンアンテナの寸法データです。エレメントの配置を変えてもSWRの値は大して下がらないので、利得の計算値が大きめになるようにエレメント配置を決めました。
3 6モクソン寸法

(2) 性能測定
 (a)MMANAの計算値は、前記の様に3.09でしたが、実際に作ったアンテナのSWRは 
    431~435MHzで1.1以下でした。ただ、5エレ・モクソンに較べアンテナ周辺にある
    物品による影響で、SWRの値が変化しやすいです。

(b)いつもの再現性に問題ありの、簡易電界強度計での測定。
簡易電界強度計とアンテナとの距離は約2.5m。送信出力は350mWです。 

             簡易電界強度計の最大読みとり値
5エレ・モクソン        86μA 
6エレ・モクソン       100μA超 ( 注 )今回作成したもの  
6エレ・ダブルバズーカ     95μA

 (注)簡易電界強度計はフルスケール100μAの電流計を使用していますので、
「100μA超」の実際の値は解りませんが、110μAくらい?の感じでした。

(3) 製作の状況

4 給電部
 φ3黄銅パイプで作成した放射器Raと反射器Reは3mm厚のアクリル板に、M3ローレットねじで固定しました。5エレ・モクソンと同じ固定方法です。ただ、5エレ・モクソンでは連結したRaとReとは携帯性を良くするために別々の部品としています。

5 エレメント保持
 導波器D1~D4エレメントもφ3黄銅パイプで作りました。エレメントの中央部に半田付け固定した長さ20mmのφ4黄銅パイプに、回り止めとして短く切ったφ3黄銅パイプをM2ネジで止めました。ブームには、幅3mmのスリ割りを切ったφ5黄銅パイプ(長さ18mm、)を半田付けして、これに各導波器を差し込みます。

6モクソン分解1
 分解した状態です。下の3本がブームです。上から反射器、放射器を固定するアクリルのブーム、次はφ6ステンレスパイプのブーム、一番下はジャンク品のロッドアンテナを使用して伸縮可能にしたブームです。(各部品の長さを250mm以下にしたかったので)

(4) その他
 (a)モクソンアンテナはエレメントが “[” の形状であるために、エレメントを分解可能に
   保持する方法に苦労しています。今回の導波器の保持方法は、アンテナ組立は楽
   なのですが、加工の手間が掛かった割には保持が甘く、再考の余地 大いに有りです。

(b)簡易電界強度計の測定では、6エレ・モクソンの方が6エレ・ダブルバズーカよりも利得が
   若干大きい様です。(実際のところは、何回かの移動運用で確認しないと解りませんが)
   エレメントのもっと良い保持方法を見つけて、9エレくらいまで遊んでみようと思います。 

(c)5エレ・モクソンは、放射器Raと反射器Reとを連結(絶縁状態で)して一見、四角のループ
  状にしたのですが、前回の移動運用の帰路、ハイキング用ザックに詰め込んだ際に、
   エレメントの連結に使用したお団子の竹串が折れました。携帯性に難ありです。
   RaとReとを連結しない状態で再生して、今回の性能比較測定に使用しました。



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