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アマチュア無線局 7M2MZO

430FMで低山ハイキングを兼ねた移動運用を楽しんでいます。

続、slingshot antenna

'09.03.29景信山移動運用の際に、出力1Wで、6エレダブルバズーカのシングルとの
比較テストを行いました。


まず、受信レポート5/3~5/9の数局を、受信比較しましたが、両者に差はありません。
CQでの交信で相手局にお願いして、シグナルレポートを戴きました。結果は下表です。
受信についてはやはり両者同じでしたので、下表では省略しました。 

 1 シグナルレポート

シグナルレポートは、概ねslingshotアンテナの方が小さいのですが、B局の様に
逆転したレポートもありました。

 slingshot antennaには、水平エレメントと平行な方向に指向性がある様です。
そして、両端の2本の垂直エレメントのうち、中心導体側から給電されている
垂直エレメントに向かう方向の方が、その逆の方向よりも受信感度が大きく、
送信についても同様の方向性がありました。
2 アンテナ

 このアンテナのSWRは、1.7と、あまり良くありません。それでも6エレダブルバ
ズーカに対して大きさの割には“善戦”しており、SWRを下げる工夫をして再度比
較したいと思っています。

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430MHz用 Slingshot Antenna 

(1)はじめに
 英文のHPを検索していて、slingshot antennaというのを見つけました。良く解りませんが、440MHzのレピーターにアクセスするために屋根裏にmag-moun tantennaを設置していたが出力35Wでも、あまり良くなかった。2m用のslingshot antennaの記事から440MHz用に寸法を読み直して作ったら、10Wで良好にアクセス出来た。といった様な事がたぶん書いてあるらしいです。 あまり見ない形のアンテナなので作ってみました。    ( slingshot=ぱちんこ? )

 尚、このHPは、“Slingshot Antenna”のキーワードで検索すると見つかるはずです。 
 
(2)作ってみましたが、
  前記のHP記載の寸法を更に433MHzでの寸法に読み替えて、まずは作ってみました。
 下図の様な放射器1エレメントのアンテナです。水平ダイポールの両端に、3/4λの
 ホイップを立てた形です。差し渡し355mmの水平エレメントはアルミチャネルで作り、
 長さ345mmの垂直エレメントは長さを調整出来るように、ロッドアンテナにしました。
1 エレメント寸法
 垂直エレメントの長さを変えながらSWRを測定しましたが、周波数にかかわらず2.0以下には
下がりません。

(3)SWRは下がりました。 
2 給電部
               給電部付近

 SWRを下げる為に、エレメントをあと2つ追加で作り、3エレのアンテナとしてみました。追加の
エレメントは水平エレメントをφ10のアルミパイプで、垂直エレメントは放射器エレメントと同様に
ロッドアンテナを使用しました。
3-3エレ

 この状態で、各垂直エレメントの長さを調整したところ、SWRは430~437MHzで
1.1以下になりました。

 尚、ブームは、水平エレメントの中央部に取り付ける事が出来なかったので、絶縁材料
(\100店の園芸用竹棒)とし、水平エレメントの中心からズレた位置に取り付けました。

(4)性能評価
 簡易電界強度計で、2/3λヘンテナと比較してみました。出力1W,距離2.5mです。
予想通り、垂直偏波、水平偏波の両方出ています。

                 電界強度計の読み 
 3エレ・Slingshot Antenna    70μA(垂直偏波) 40μA(水平偏波)
2/3λヘンテナ        85μA(垂直偏波)  4μA(水平偏波)

アンテナの大きさの割には良くはありまぜん。ただ、垂直偏波と水平偏波と両方出ていることが、実際の交信時に、有利に効くかも知れませんが。
4 ヘンテナ
    対照アンテナ : 2/3λヘンテナ(大きさ455*123mm)


(5)2エレにしてみました。
  導波器を取り除くと、アンテナの大きさとしては大分小さくなります。垂直エレメントの長さを
 再調整したところ、SWRは431~436MHzで1.1以下になりました。
5 2エレ

  簡易電界強度計で測定してみたところ、下記の様に3エレよりも電波強度(垂直偏波)が
 大きい結果となりました。
                    電界強度計の読み
 2エレ・Slingshot Antenna    80μA(垂直偏波) 35μA(水平偏波)

 3エレより良くはなりましたが、2/3λヘンテナよりも大きく、性能は劣ります。


(6)1エレにしてみました。 一応は決着
 もとの1エレに戻し、給電部のリード線の半田付けをやり直したり、垂直エレメントの長さの
 再度の微調整などして、SWRは1.7になりました。好もしくはありませんが、使えぬSWR値
 では無いので、簡易電界強度計で測定してみたところ、下記の様になりました。

                    電界強度計の読み
1エレ・Slingshot Antenna    100μA(垂直偏波) 40μA(水平偏波)

 まあ、これなら2/3λヘンテナよりも良いし、アンテナの大きさも同等です。とりあえず、
これで我慢する事にしました。  

(7)寸法図です。
    2エレの時は下の図からD1を除いただけで、ReとRaの間隔は変わりません。
7 slingshot

8 寸法A
 一番最初の図では、寸法Aが345となっていますが、結局 上の表の状態でSWRがいちばん
小さくなりました。

9 全部品
作成した部品類(ロッドアンテナの垂直エレメントは折り曲げ機構で畳んでいます)
結局は、一番下の給電エレメントだけを使用する事になりました。 やれやれ


(4)その他
(a)今回も、どたばた、失敗記になってしまいました。まあ、何が楽しいんだか、、。
   ともあれ、追加エレメントでかえって簡易電界強度計の読み取り値は小さく
   なりました。今回の追加エレメントは給電エレメントと同形ですが、垂直
   エレメントのみを追加など、まだ少し遊べるかも知れません。

(b)指向性が少しあり、今回追加エレメントを並べた方向(凹の紙面に垂直方向)
  では無く、紙面に平行な( ←凹→)方向に向いている感じがあり、
  エレメントを追加する方向が基本的に間違っていた可能性もあります。

(c)垂直エレメントに、同じ向き(垂直)の別のアルミパイプを近づけると、
  SWRは下がります。水平エレメントに水平の金属パイプを近づけると
  SWRは上がります。

(d)このアンテナからは、水平、垂直の両方の偏波が出ています。垂直偏波の
  簡易電界強度計での測定値から、あまり高い性能は期待出来ませんが、
  水平偏波の成分が実際の運用時に、有利に働くのかどうか? 実際の運用
  で確認したいと思います。


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続、430MHz用 6エレ MOXON ANTENNA

(1) はじめに
分解・組立可能な移動用のアンテナとする為に、エレメントの保持方法について試行錯誤して(=遊んで)います。今回の報告は、ハイキング兼移動運用に手頃な、6エレのモクソンアンテナの構造についてです。

本ブログ内の関連記事  ’08.12.13 モクソンアンテナ(2エレ)
                 ’08.12.25 5エレモクソン
                 ’09.01.08 6エレモクソン
                 ’09.02.23 9エレモクソン(失敗記)
                 ’09.03.11 続9エレモクソン

エレメント配置図です。一応はMMANAで計算したのですが、SWRの計算値は下がりませんでした。エレメント形状の入力に問題があるのかも知れませんが、とにかく最適解にはなっていない様です。

MOXON ANTENNA PROJECT と云うHPのリンク先にはモクソンアンテナの計算ページがある様ですが、英文の読めない私には敷居が高く、まだ、確認していません。 尚、実際にこの配置図で作った今回の6エレモクソンアンテナのSWRは、2本共に、432.9~435.0MHzの範囲で1.1以下でした。
1 6モクソン寸法


(2)製作の状況
上の配置図とは左右が逆ですが、作成したアンテナの写真です。スタックで使用出来る様に、給電を勝手違いにして2本作りました。
2 全体
各エレメントの材料はφ3黄銅パイプです。ブームは\100店で購入したピックアップツール(先端に磁石の付いたロッドアンテナの如きもの-磁石は外しました)と、使い切ったボールペンの軸とキャップで構成しました。

3 部品1set
アンテナ1本分の部品です。左側に第1~第4導波器エレメント。中央にピックアップツールを転用したブーム(短縮した状態です)その右に放射器、一番左側に反射器です。

4 給電部中
放射器と反射器とは、ボールペン軸とキャップとで、差し込んでカチンと連結します。
長さを合わせるために、キャップにはφ6のステンレスパイプを継ぎ足しました。

反射器の両先端にM2ネジで取り付けた、ボールペン軸を短く切ったパイプで放射器の先端をガイドし、突き合わせます。
5 給伝端部


ブームには第1~第4放射器を保持するためのスリ割を入れたφ5黄銅パイプを半田で取り付けました。写真の短縮時の長さは244mm、伸長時の長さは615mmです。少し長さが足りなかったので、左側に50mmほどの長さのφ6ステンレスパイプを継ぎ足し、右側に給電部との結合用に、φ7黄銅パイプを半田付けしました。中央部の白いローレットねじは、スタックブームとの連結(後述)の為に取り付けました。
6 ブーム

7 エレメント保持
第1~第4放射器エレメントの支持部は、’09.03.11の「続9エレモクソン」の記事と同じで、エレメントの中央に24mm長のφ4黄銅パイプとM2ネジを止め、ブーム側に取り付けたスリ割を入れたφ5黄銅パイプの「受け」に挿入します。M2ネジでエレメントの回り止めと「受け」からの抜け止めを兼ねています。

8 給電部とブーム接続部
 ブームの右端のφ7黄銅パイプにはスリ割を切り、給電部側のボールペン軸に固定したφ6黄銅パイプを挿入してM3ローレットねじで固定します。


9 スタックブーム
スタックブームはφ6ステンレスパイプで作り、各エレメントの長さに合わせて3分割しました。写真中央のブームの舌片部を写真用三脚に固定し、左右に各分割ブームを連結、延長します。連結時の全長は735mmです。


9-1 三脚用ねじ
スタックブーム中央の写真用三脚への固定部です。三脚側の固定ねじは短いので、鉄板に六角形の穴をヤスリで空け、W1/4のインチねじのナットを落とし込んで半田付け固定しました。


9-2 スタ接続1
9-21 スタ接続2
 分割スタックブーム同志の連結部です。直径の1/2まで削ったφ7黄銅パイプ同志を突き合わせる様にして、回り止めしています。

9-3 スタックブームの接続1
 スタックブーム(左側)の端部とアンテナブーム(右側)との連結部です。「目板」という名だそうですが、φ3穴が2個空いた板金具を双方に半田で取り付けました。スタックブーム側の目板に立てたφ3黄銅パイプをアンテナブーム側目板の穴に挿入し、ブームを回転させてスタックブーム側目板の切り欠きを白いローレットねじに嵌めて固定します。

9-4 スタックブーム接続3
 固定後の状態です。


(3) その他
(a)  MOXON ANTENNA PROJECT と云うHPの記事を参照して2~9エレを作ってみました。エレメントの端部付近を折り曲げただけで何故その様になるのか解りませんが。通常の八木アンテナよりも性能が良い感じです。ただ、エレメントが曲がっているために分解可能な移動用アンテナを作るのに苦労(楽しんで)います。

    アンテナを取り付ける為に使用している写真用三脚が軽量に過ぎて、シングル取り付けでは不安定になりがちです。重量のバランスをとる為にスタックとしました。スタックにすると利得は確かに大きくなるのですが、ビームが切れすぎて、むしろ使いにくい事もあります。実際の運用時にはスタックバーの両端に異なるアンテナを取り付けて各々シングルで運用する事もあります。

(b)重量
全部品
 今回作った全部品を並べたところです。重量は300gでした。――(a)

ついでながら
分配器と数mの1.5D・HQ-SUPER同軸ケーブルで140g。――――(b)
(’08.05.06の当ブログの記事を参照下さい)

アンテナを固定する為の軽量写真用三脚が430g。――――――――(c)

ハンディ機及び付属品と2個のリチュウムイオン電池で950g。――(d)

ログ管理用のPDAが予備電池を含めて740g。-――――――――(e)
(’08.12.26の当ブログの記事を参照下さい)

以上(a)~(e)の合計は約2.1kgに、その他の付属品類や、梱包材などを含めると
多分2.5kgくらい。 水2.5リットルに相当する重量が無線の装備という事になります。
実際には更に、予備アンテナが1~2本ザックに入ります。体力が低下して来ていますの
で、そろそろ年寄りの冷や水対策をした方が良いかも知れません。





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続9エレ・モクソンアンテナ (430MHz用)

  当ブログの関連記事 ’08.12.13 モクソンアンテナ
               ’08.12.25 5エレモクソンアンテナ
               ’09.01.08 6エレモクソンアンテナ
               ’09.02.23 9エレモクソンアンテナ(失敗記)

(1) はじめに
 前回の失敗(’09.02.23の記事)-ブームへのエレメントの支持力不足―の修正です。ブームは前回のものを流用し、エレメントの支持部分を作り直しました。とはいえ、6エレモクソン(’09.01.08の記事)で行った方法を小変更しただけですが。

(2) 製作 
1 9エレ・モクソン寸.2
2 全体
3 給電部付近
 給電部付近の状態です。給電エレメントはφ3の黄銅パイプで作り、BNC-Jコネクタを直付けしました。給電エレメントの中央部と、ブームのそれぞれに木綿糸とエポキシ接着剤でプラスチック板取り付け、2本のローレットねじで着脱可能に取り付けました。
4 給電部

 他のエレメントのブームへの取り付けは下の写真のように行いました。
5 支持部s
 φ3黄銅パイプのエレメントの中央部にφ4*24mmの黄銅パイプを嵌め、タップを切ってM2ネジを取り付けました。ブームには幅3mmのスリ割りを切ったφ5*24mmの黄銅パイプを加工した“ホルダ”を設けて、エレメントを受けます。ホルダにはM2ねじが入る、幅2mmの小さいスリ割りも設けました。
6 エレメント支持
          上の写真とは逆方向から見た、エレメント保持状態

 ホルダの幅3mmのスリ割りからエレメントをホルダ内に挿入し、エレメント側のM2ねじと、ホルダ側の幅2mmのスリ割で、エレメントのホルダからの抜け止め兼回り止めを行います。’09.01.08の記事の6エレモクソンアンテナで行ったのと同様の方法ですが、M2ネジを追加して抜け止め兼回り止めとした事で、エレメントの落ち着きが良くなりました。

 下の写真は、分解したエレメントとブームの写真です。エレメントは250mm弱の長さですが、下の3本のブームの長さはそれぞれ395mmで、収納に若干問題です。尚、上の2本のブームはφ6ステンレスパイプ。一番下のブームのみロッドアンテナ利用で、使用時には820mmに伸びます。連結して使用時のブーム全長は1546mmです。
7 部品

(3) 性能評価
  SWRの測定値は431~434MHzで1.1でした。435MHZ付近では2.0に急増します。
  送受信テストは行っておりませんが、前回送受信テストを行った時とエレメント配置は
  同じで、特に問題は無いと思います。

(4) その他
(a)エレメントの取り付け構造としては、あまり芸がありませんが、エレメントの保持強度は
  充分で、エレメントの姿勢も安定です。エレメントの着脱も容易で、一応は実用可能に
  なったと思います。

(b)参照したインターネットのモクソンアンテナの記事には、給電エレメントと反射器エレメント
  との間隔が重要とありました。樹脂パイプなどで、しっかり連結/固定した方が良いも
  知れません。

(c)前回の送受信テストで、9エレのモクソンは利得は良いのですが、「ビームが切れすぎて、
   ハイキング兼の移動運用には使いにくい。」事が解っていますので、今回のエレメント
   保持方法でハイキングには使い勝手の良い5~6エレを作り直して運用したいと思います。

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