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アマチュア無線局 7M2MZO

430FMで低山ハイキングを兼ねた移動運用を楽しんでいます。

430MHz 移動用7エレ八木アンテナ

(1) はじめに
 普通の6エレ八木アンテナを作ってみようと思ったのですが、SWRの調整をしているうちに、7エレになってしまいました。


(2) アンテナ寸法
  出来上がったアンテナの“結果的な”寸法図です。再現性は ? です。
1 配置

分解&組立を行う移動用アンテナは、エレメントの種類(長さ)は同じ方が便利ですので、導波器D1~D5は全て同一の長さとしました。

放射器(Ra)の寸法です。
2 放射器
放射器はガンママッチとしましたが、コンデンサの手持ちが無く、省略して直接給電しました。
このため、形は似ていますが、ガンママッチでは無くなった様です。


(3) SWR調整
  始めに放射器エレメントをブームに固定してSWR計に接続し、竹棒の先にセロテープで固定した反射器や放射器エレメントをブームに沿って移動させ、SWRが下がる位置で、ブームにセロテープで仮固定して行きました。これを繰り返したのですが、SWRは2付近から なかなか下りません。ガンママッチ部のショートバーの移動ではSWRはほんの少ししか変わりません。前記の様に6エレのつもりで始めたのですが、結局 D5放射器を追加して、やっと432~434MHzの範囲で1.2になりました。更に追い込むには、導波器の長さを細かく調整する必要が有るのかも知れません。


(4) 簡易電界強度計で比較
    350mW、距離3mで測定した、電流計の振れ。    ブーム長
  7エレ八木(今回作成)      55μA        1110mm 
  6エレダブルバズーカ八木     54μA        716mm

 ブーム長ではダブルバズーカに随分と差が付きましたが、マアこんなものでしょう。


(5) 製作内容
3 全体
ブームの材料は¥100店の園芸用竹棒(直径φ7~9)です。大体真っ直ぐなものを選んだつもりでしたが、写真でも解るように、くねくねと曲がっています。放射器と反射器はφ4アルミパイプ。放射器はφ4銅パイプと、BNC-Jコネクタの接続用にφ2銅線を少々。

 放射器と反射器エレメントは、φ6(肉厚1mm)*20mm長 のアルミパイプをブームに木綿糸と瞬間接着剤で固定(更に2液エポキシ接着剤で補強する予定です)して、受けました。エレメントには抜け止めとして、短く切ったφ5アルミパイプをM2ねじで固定しています。
4 エレメント保持部

ブーム全長は1110mmです。30cmほどの長さに4分割して、黄銅パイプで連結出来るようにしました。
5 ブーム連結部

放射器の給電部です。
BNC-Jコネクタの中心導体を、放射器エレメントの長さの中央に開けたφ2.5の穴に差し込んで半田付けし、コネクタの外部導体側は、φ2銅線で、ガンマロッドに接続しました。給電部付近は3mm厚のアクリル板で支持しています。
6 給電部
φ2銅線の下に見えるM3ナットはブームへの固定用です。アクリル板に小さめの穴を開けておき、ナットをライターで加熱して押し込みました。

ブームの放射器固定部です。M3のローレットねじを竹棒に貫通させ、ナットと黄銅円盤を半田付けして、抜け止めとしました。右脇に、導波器の前後を誤組み付けしないように、お団子の串を切って植え込みました。上の給電部の写真のφ2銅線の有る側が、竹串の有る側になるように組み立てます。逆に組み付けようとすると、竹串と導波器エレメントがぶつかり、ローレットねじを締める事が出来ません。
7 Ra固定部

アンテナを分解した状態です。ブームの太めの竹棒が かさばる感じです。
8 分解

 アンテナ全体を写真用三脚などに取り付ける為の“横棒”の、ブームへの取り付け部です。“横棒”の先にアクリル板を瞬間接着剤とM3のねじ&ナットで取り付け、ブーム側には3mm厚の白いプラスチック板をねじ止めしました。白いプラスチック板にはナットを2個(前記と同じく 加熱して押し込みで)固定して、ローレットねじを付けてあります。
9 横棒固定


(6) その他
(a)放射器D1~D5が全て同一長さという製作例はあまり無い様です。
   アンテナとしては無茶なやり方で、エレメント数から予想される
   本来の性能が出ていないかも知れません。

(b)ガンママッチに形だけ似ましたが、コンデンサを付加しないときちんと動作
  しないものなのでしょう。前記の様に、ショートバーの位置を動かしてもSWRの
  変化は少しで、SWR最低となる周波数もやはり僅かな変化でした。
  コンデンサが無いとガンママッチとは別物で、フォールデッドダイポール
  (折り返しダイポール?)と似たものになっているのかも。

  尚、前回作った halo antenna(下の写真)では、ショートバーの位置を
  変えることを、設計上も想定していない様でした。
91 halo antenna

(c)今回は、アンテナハンドブックのガンママッチの箇所を参考にしただけで、
   成り行き任せで作ってしまいました。 普通の6エレを作るつもりが、
   7エレになってしまった事でもあり、上記の(a)、(b)について、
   今後きちんと確認してみたいと思います。というのが、ちゃんとした
   無線家なのでしょう。 ・・・・ 当局に関しては 気まぐれ次第で、、、。


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430MHz用Halo antenna

(1) はじめに
英文のHPから見つけました。非常に簡単に作ることが出来ました。参考元のHPは “halo antenna”で検索すれば見つかります。2m用と430MHz用アンテナの、それぞれのHPがあり、430MHz用は、4つのアンテナをスタック化して使用しています。

アンテナの直径は12cm程度で、非常にコンパクトです。

(2) 製作
寸法図の緑色がエレメントです。
3 halo ant

 材料は、エレメントはφ3銅線。ガンママッチ部のショートバーは、φ4黄銅パイプを叩き潰した
「黄銅板」。他に、絶縁スペーサとして t3アクリル板。給電は1.5D同軸線を直付けしました。


(3)SWR調整
ガンママッチ部のショートバーを移動させたのですが、SWRは殆ど変化せず、寸法図に赤字で(要調整)と記した、ループ状のメインエレメントの開口部寸法とエレメントの長さで調整しました。調整後のSWRは、430~434MHzで1.1以下です。

 実は、元のHPではショートバーは使わずに、フェーズラインの終端部を直角曲げしてループ状のメインエレメントに直付けしています。そして、SWRはループの開口部の間隔を調整して行うと書かれていました。又、メインエレメント開口部の静電容量が、SWRと関連するので、SWR調整後に、例えばエレメントの固定の為に、開口部に樹脂などを流れ込ませてはイケナイと書かれています。


(4) 簡易電界強度計での測定
   距離3m、出力1Wで、電流計の最大振れは80μAでした。 出力50mWでは、電流計の針は殆ど振れませんでした。性能としてはあまり大したことはありません。他のアンテナ との比較はしていませんが、“八木アンテナの放射器を円形に曲げただけ”です から、この程度でしょう。

エレメントのループの面に平行な方向に放射しますので、ループ面が垂直になる姿勢で垂直偏波になります。指向性は無い様で、ループの開口部や給電部の方向に放射が強くなる(又は弱くなる)という事は認められませんでした。ループの面に対して垂直な方向の放射は僅少でした。


(5) その他
  (a)前記の様に、元のHPでは、アンテナを4個作ってスタック化して使用して
いますが、ループは水平で、間隔は約432mmで、縦に並べており、水平偏波で
使用しているものと思われます。分配器は75Ωの同軸ケーブルを使用したQマッチです。

元のHPでは、2m用のhalo antennaもループが水平で使用しています。

(b)簡易電界強度計の測定結果からも、1個のアンテナのみでは、さほどの性能
は期待出来ません。スタック化で利得向上を図るのが良いかも知れません。

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430Mhz用 SLIM-JIM antenna

(1)はじめに
 今回も横文字のHPを参照して作りましたが、国内のHPや雑誌にも、自作例等などが掲載されている様です。300ΩのTVフィーダー線(最近はあまり見かけませんが)を利用した作成例が雑誌に掲載されているのを読んだ憶えがあります。
1 全体&寸法

 尚、上の図の寸法はエレメントの中心線から測った長さです。
給電点の位置(33mm)は、後述の様にSWRの値を見ながら調整する必要があります。
2 slim jim寸法2


(2)製作内容
  手持ちのφ3黄銅パイプで作りました。スペーサは、φ8のガラス繊維入り樹脂パイプを使用し、木綿糸を巻き、瞬間接着剤で固定しました。
3 固定部

全長が50cmを越えるので、2分割しました。
4 分解

 分割されたアンテナはφ2のステンレス線で連結します。スペーサは、分割された各々に設け、一方のスペーサ(下の写真で左側の)は写真用三脚への取り付けの為に、ブームを差し込む様にしました
5 連結部

 7mmのエレメントの空隙部は、いつもの“おだんごの串”を削って差し込み、瞬間接着剤で固定しました。
6 空隙部

 給電はBNC-Jコネクタを直接半田付けしました。コネクタを付ける位置はSWRを見ながら調整が必要です。今回は5mmほどの範囲内で3回ほど半田付けをやり直しました。
7 給電部


(3)性能測定
 いつものように簡易電解強度計で比較を行いました。かなり怪しげな測定ですので、
本質的には、どのアンテナも大差は無いという事だろうと思います。

                     電界強度計の電流計の読み
                 出力350mW    50mW    1W
     2/3λヘンテナ    12μA     5μA    100μA超 
      J型アンテナ     20μA     5μA    100μA超
     SLIMJIM       28μA     5μA    100μA超

ヘンテナとJ型アンテナは指向性が現れますが、SLIMJIMには明確な指向性は
無い様でした。尚、出力350mWはスタンダードC460、50mW及び1WはVX-6で
測定しました。

参照アンテナ 
(a)2/3λヘンテナ  概略寸法46*12cm(‘08.07.10の本ブログの記事参照)
8 伸張時

(b)J型アンテナ  概略長さ54cm(‘08.05.03の本ブログの記事参照)
9 J 型アンテナ伸張

(4)その他
(a)どうやって作ろうかな?とか、材料はどれで?などなど、この過程が楽しいです。
   結局まる1日かかってしまいましたが、実質的な製作作業時間は2時間以下で、
   比較的簡単に作ることが出来ました。

    性能については、前記のようにハッキリしませんが、作りやすいのが長所かと。
   アンテナの上部が、1/2λのラジエータとして働く様ですので、八木系アンテナの
    放射器としての利用が出来るかも知れません。

(b)スペーサに使用したガラス繊維入り樹脂パイプは、横浜の東急ハンズで購入しました。
   φ4~φ8程度の数種類の径があり、肉厚は約0.5mm。軽量で、太径のものは、
   6~8エレメント程度の八木のブームに使用出来る程度の強度があります。
   瞬間接着剤で強固に接着出来、金鋸、ヤスリでの切削加工が容易です。
   長手方向に割れやすいのと、1m長で、¥700~800と高価なのが欠点です。

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続、続々 slingshot antenna

(1) 始めに
 09.03.29景信山での移動運用の際に、テスト運用(6エレ・ダブルバズーカ(シングル)と比較)を行いました。受信性能が比較的よい事及び、受信感度に方向性があるらしい事が解りました。又、このときのSWRは1.7と大きめでしたので、これを下げる事と、アンテナ製作の再現性確認のためにもう一つ作ってみました。

(2) 方向性の確認
 前記の移動運用の際に、下図の、赤で示した中心導体側に接続された方の垂直エレメントの方向(Fa方向)の方が、青で示された外部導体に接続の垂直エレメントの方向(Ba方向)よりも受信感度が大きい事を見つけました。
 送信についても方向性があるのか?簡易電界強度計で、確認してみました。
出力1W,距離3mで測定しましたが、下図の様に明瞭な方向性が認められました。
1 方向性2

(3) SWRを下げる。
 製作過程で、垂直エレメントにもう1本金属棒を近づけるとSWRが下がる事が解っていましたので、上図のBa側にエレメントを追加しました。
2 1号
SWR計を見ながら竹棒にセロテープで固定したエレメントを、アンテナに近づけたり、離したりしてみると、SWR1.0近くまで下がる位置が見つかりました。外部導体側の垂直エレメントから40mmの位置です。その位置で、追加エレメントを取り付けて再測定すると、おやおやSWRは1.3でした。釈然としませんが、実用上はOKですので、これで妥協する事にします。

 追加エレメントの長さはエレメントの頂点が、他のエレメントと同じ高さになるようにしました。
これより長く、或いは短くすると、SWRが大きくなります。

 中心導体側に追加エレメントを配置すると、SWRの低下は、鈍い感じでした。

ともあれ、エレメントを追加後に、簡易電界強度計で測定すると、方向性は更に顕著になっています。
3 方向性1


(4) 2号機の作成
 以上は、09.03.28に作成したアンテナの追加工ですが、新たに2号機を作りました。
4 寸法図



1, 2号機は作成内容が少し異なります。
水平エレメントは凹形のアルミ型材(10*10mm 肉厚1mm)を使用しましたが、1号機では凹形の開口部が上向き(垂直エレメントのノビル方向)で、2号機は逆に開口部を下向きで、組み立てました。この理由は垂直エレメントの違いで、1号機は折り曲げ機構付きのロッドアンテナを使用しましたが、2号機はφ8アルミパイプの一端側に、黄銅製のプリント基板用スペーサ(3mmねじ)を嵌めて、ネジで着脱出来る様にした為です。追加エレメントはアルミ型材に取り付けた、M3ナットを埋め込んだアクリル板に、同様にスペーサ利用のねじで取り付けました。、
5 2号の組立
この違いの為なのかどうか?上図の様に、垂直エレメントの長さ(寸法A)が異りました。尚、寸法Aはアルミ型材の上面からの寸法です。

 2号機のSWRは、追加エレメント無しで、1.7。追加エレメントは1号機と全く同じ経過を辿って、結果的に1.3でした。

(5) 簡易電界強度計での測定、比較
 前記と同じく出力1W、距離3mで比較しました。前記1号機の値も併記します。製作内容が少し違ってはいますが、マアマアの再現性はありそうです。
6 方向性

 2/3λヘンテナは、同じ測定で、75μAでした。

  6エレ・ダブルバズーカアンテナ(シングル)を同様に測定したところ、1Wでは
電流計の指針がびゅんと振り切れます。50mwでの測定では20μAでした。

(6)収納時の状態。
   上が1号機、下が2号機。
  1号機はロッドアンテナの折り曲げ機構で折り曲げ収納です。
  2号機は垂直エレメント端部のねじを緩めて外しました。
7 収納時
 重量は1号機130g、2号機140gでこの大きさのアンテナとしてはやや重い感じ。

(7) その他
(a)左右対称形のアンテナで、送受信に方向性が現れるのは、何故?

(b)追加エレメントはプラスチックで支持して取り付けました。取り付け後に
   導体で水平エレメントと接続(水平エレメントを延長する感じで)すると
   SWRはかなり大きくなりました。

(c)追加エレメントは“外部導体に接続された側の垂直エレメント”から40mm
   に設置しまし。中心導体に接続された側の垂直エレメント”の近傍に、更に
   追加エレメントを設置しようとしたらSWRが大きくなりました。

    “中心導体側“から200~250mm離れた位置にエレメントを追加すると
   SWRが小さくなりそうです。このエレメント追加で指向性が鋭くなる等
   のご利益があるかどうか? そのうちに試してみようと思います。 

(d)妙なところの多いアンテナですが、景信山でのテスト運用及び、今回行った
   簡易電界強度計での比較の結果から、耳は割に良く、アンテナの大きさの
   割には比較的性能が良いと思います。




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