(1) はじめに
前回(’10.02.17の記事)
ハーモニクスアンテナは、下記のHPを参照しました。
折り返しエレメントの1λ
八木でしたが、反射器を追加しました。 http://www.i1wqrlinkradio.com/antype/ch16/chiave89.htm
http://www.i1wqrlinkradio.com/antype/ch16/chiave1224.htm
今回は、同じリクツのアンテナですが、折り返しではなく一本棒のエレメントの
アンテナです。参照した記事は下記の2点。いずれも144MHz用で、各部の寸法は
ほぼ同じです。
アンテナハンドブック1991年度版 (高調波アンテナ) CQ出版社
アンテナクラフトマニュアル (1λハーモニクスアンテナ) 電波新聞社
これらの記事では、Uバランで200Ω給電でしたが、50Ω直接給電とし、また、
反射器、導波器を追加して 3エレとしました。
(2) と云う事で、

寸法です。

Re、Ra、D1 各エレメントはφ4アルミパイプ。168mmでUターンしているスタブは
φ2ステンレス棒を使用しました。(1/4λスタブです。少し短く作ってしまった。)
Reは前回(’ ’10.02.17の記事)と同じく長い一本棒を後方に追加しました。
D1は長い一本棒を追加すると電波を遮蔽する?感じです。前回はこれでD1追加を断念
しましたが、D1を2分割して、各Raの前方に夫々配置すると導波器として機能する事が
解りました。 もしかしたらReも2分割した方が良いのかも?ですが未確認です。
分解した状態です。
ブームは、アクリル板(幅20*長さ190*厚3mm)にボールペンの軸を継ぎ足しました。
ブーム全長はD1を装着(キャップを嵌める)した状態で、300mmです。

ボールペンキャップに接着した内径φ4の樹脂パイプに予めD1の一方を固定してあり、
先端にバナナチップを取り付けたもう一方のD1を樹脂パイプに挿入して組み立てます。
D1を固定するボールペン軸は木綿糸+瞬間接着剤でアクリル板のブームに固定しました。

φ2ステンレス棒のスタブの先端にプリント板スペーサを半田付けし、これと対になる
スペーサをRa先端に取り付けてねじ込んで組み立てます。(このスペーサはジャンク品
で、ネジ部の径がφ3.4くらいあり、ミリねじでは無い様です)
φ2ステンレス棒のスタブにBNC-Jを直接半田付けしました。(前回、スタブのU字型
の中に金属を入れるとSWRなどに影響すると解りましたので、ブリッジ状に取り付け)

スタブの後方に、M3のプリント板スペーサを固定し、φ4アルミパイプの一端にM3
ねじを固定したReをねじこみ固定します。
ブームの後端(写真の右端)のL型の板金具(白いM3ローレットねじを取り付け)は
写真用三脚への固定用の金具です。
(3)SWR調整
SWR調整はスタブ上の給電位置と、Raの長さとを交互に調整して行いました。
ある給電位置で、低い周波数で、SWRの最低値を示すので、Raを切り詰めて、周波数を上げて行くと、433MHzでのSWRが大きくなり、給電位置を再度Raから離れる方向に
移動すると、低い周波数でSWRが1.0程度に、ここでまたRaを切り詰めて周波数を上げ
て行くと、433MHzでのSWRがちょっと大きくなり、の繰り返しでした。結果的には
432~436MHzの範囲で1.1以下となりましたが、あと、ほんの少し給電位置を遠い位置に
にした方が良かったかも知れません。
アンテナハンドブックの記事では、スタブ上の給電位置はRaに近い方で数KΩ、
Raから遠い側で、数10Ωとの事で、433MHz換算で、Raから100mmほどの位置で
Uバラン使用の200Ω給電を行っています。
(4) 簡易電界強度計で比較しました。
距離2m 、出力1Wでの指針の振れの最大値です。
高調波アンテナ・3エレ 350μA
6エレ・ダブルバズーカ 400μA (前回の移動時に不調でしたが再調整)
SUPER-Jアンテナ 180μA (’11.03.07の記事)
(5) その他、
(a)当初は、144MHzの記事の寸法を433MHzに換算したRa長さに対して
Re長さ=Ra*1.15、d1長さ=Ra/1.15 としました(たいした根拠なしに)が、
SWRの調整の過程でRaをかなり切り詰めました。D1とRaは少し切りましたが
結局、今回は「SWRをなんとかするだけでせいいっぱい」D1,Reの長さには
気が回りませんでした。
(b)もしかしたら、更に導波器を追加できるかも知れません。エレメントの長さが
普通の
八木の2倍ですが、利得はそれなりにありそうです。
(c)参照したアンテナハンドブックの記事によれば、1/2λのダイポールに較べて
高調波アンテナは利得が約3dB上がるとの事です。普通の
八木の垂直スタックと
較べて、分解・/組立の手間は格段に小さいですから、お買い得?かも知れません。