(1) はじめに
形がオモシロイという事で、作ってはみたのですが、、、。
参照HPは http://www.igs.net/~graham/SkewPlanarAntenna/
903MHz及び440MHzでの制作例が記載されています。
他に、1200MHz用の制作例を記載したHPもありました。
作った後から気が付いたのですが、このアンテナは、Big Wheel antennに似ています。
( http://www.vhfcomm.co.uk/dl8zx.htm の他、複数の紹介HPあり。)
(当ブログの記事は ’10.06.29 ‘10.07.08 ’10.07.15 に)
扇形に曲げた針金のエレメントを3本ほぼ同じ平面内に、円周を3等分する様に
配置するアンテナで、エレメントへの給電が同じなので、たぶん動作も同じでは?
と思いますが、、、。 ま その話は後で。
(2) こんな形です。

扇形のエレメントを4つ、傾けて円周上に配置したアンテナです。この姿勢で垂直偏波。
扇形のエレメントの寸法です。直線部はφ3黄銅パイプで作成。黄銅パイプの一端を
直角に折り曲げて曲線部のφ2ステンレスワイヤロープを挿入し、半田接続しました。
( )内は参照したHP記事の記載寸法です。

給電部です。BNC-P 117コネクタの外側面穴あけして4本のφ4黄銅パイプを90の間隔で放射状に配置。その上方20mmに45°上向きにφ4パイプを4本、BNCの
中心導体とエネメル線で接続し、樹脂パイプと2液性エポキシ接着剤で支持しました。
これらのφ4黄銅パイプに前述の扇形のエレメントのφ3黄銅パイプを挿入して
アンテナを組み立てます。

分解時の状態です。φ2ステンレスワイヤロープに曲がりグセはついていませんが、弾性で
素直に円弧状に曲がります。

(3) ところが、、。
扇形のエレメントを参照記事の寸法で作ってアンテナを組み立て、SWRを測って
みると、SWRの最低値は
430MHz付近で2.0程度でした。扇形エレメントの
φ2ステンレスワイヤロープを数回切り詰めて40mmほど短縮してはみたものの、
SWRの状態に変化はありません。
扇形エレメントを抜いて2本又は3本だけにするとSWRの最低値は1.0付近まで
下がりますが、これではオモシロクない。
ここでちょと(やっと)思い出したのが、Big Wheel antennで、給電部にトリマー
コンデンサを接続していたのを、1.5D同軸線で置き換えてうまくいったのを。。
という事で、前述の給電部の写真にも見えますが、トリマーコンデンサの代わりに
1.5D同軸をテキトーに切って接続してみたら、SWR最低値が1.0付近に下がります。
φ2ステンレスワイヤロープをもういちど長いものに付け替えて寸法調整。同軸の
長さも調整(結局30mmと25mmの2本になりました-50Ωの同軸線の容量は
約1pF/cmだそうで、計約5.5pF) SWRは428~440MHzの範囲内で1.1
以下におさまりました。
簡易電界強度計(いつもの 距離2m 出力1W)での最大値は80μA。
この最大値はアンテナの30°ほど上方に現れ、水平面内での方向性(指向性)は
無い様です。
(4) という事でありますが
(a)トリマーコンデンサ代わりの同軸線でSWRはともかく下がったものの、
簡易電界強度計の数値は、まあ使えない訳ではありませんが、アンテナの大きさ
からすると良い値ではありません。(Big Wheel
antennaは200μAでした)
(b)参照した記事では丸端子を4個ずつ上下(この間隔は記載なし)に分けてプラス
チックパイプの頂点部のナイロンボルト?で締結し、針金を曲げた扇形のエレメ
ントの両端を各々の丸端子の電線把持部に挿入、接続しています。同軸ケーブル
はプラスチックパイプの中から丸端子に接続される様で、トリマーコンデンサは
使っていません。そして性能が良い(と横文字で書いてあるらしい)のですが。
エレメントの形はほぼ同じで、恐らく動作も同じBig Wheel
antenna は前記の
様に以前作り、まあまあ使えるアンテナになりましたが、今回は何故うまく
行かないのか、給電部に参照記事には無いコンデンサが必要なのか?解りません。
存じません。知らないよ。
Big Wheelは偏波面が、3つの扇形のエレメントが配置されたのと同じ平面上に
ありましたが、今回のアンテナの偏波面は(エレメントが立体形に立ち上がって
はいますが)概ねエレメントが配置された平面と直交する面にあります。これに
ついても?です。