(1) はじめに
本ブログ’12.05.19の記事の{2エレの垂直指向性アンテナ}に導波器を追加しました。
その2エレを作った時の参照HPは http://www.diagram.com.ua/list/an-v-n.shtml
(2) ま、ともかく
このアンテナは2本の給電エレメント(一応Ra1,Ra2とします)の長さの中心
から少しズレた箇所に給電します。SWRを調整する過程で中心からのズレの大きさは、、
Ra1は11.5mm、Ra2は17.5mmになりました。給電箇所をブームとしましたので、
導波器(D1~D4)はブームから(11.5+17.5)/2≒14mmズレた箇所をエレメント
長さの中心としました。尚、D1~D4を支持するブームはφ4ステンレスパイプで、
各導波器はブームで導通しますが、Ra1(を支持する部分のブーム)とは非導通です。

(3) そんなわけで

各エレメントはφ4アルミパイプで、ブームに半田付けしたφ5*20mm長の黄銅パイプ
に挿入、支持します。Ra1、Ra2エレメントは夫々、BNCコネクタに接続したφ4黄銅
パイプの短尺のブームに半田付けした「φ5*20mm長の黄銅パイプ」を介して給電。
各ブーム間の絶縁、保持の為にφ5ガラスFRPパイプ(白い見えるパイプです)を使用。
移動運用での使用の為に(分解/組立)可能です。

φ4アルミパイプの各エレメントには「φ5*20mm長の黄銅パイプ」への「逆挿入防止」
と「位置決め」の為に、φ5*5mm長のアルミパイプをエレメントの中央付近と端部に
M2ねじで固定しました。(セロテープなどを巻くだけでも用は足りるのですが)
(4) 性能比較
Ra1、Ra2の給電位置及び、導波器D1~4で調整後のSWRは431.5~434MHzの
範囲内で1.1以下。430.0~430.8MHzでは1.3でSSBも なんとか使用可能
簡易電界強度計での比較 「前方」は通常の測定です。 「後方」は参考用として、
反射器方向(ビーム方向とは逆方向)の「漏れ電界強度」を測ってみました。

比較に使用したアンテナです。一番上が今回の 6エレ・垂直指向
2番目は6エレ・八木 (’11.10.23の記事)――同じ6エレ
3番目は7エレ・HB9CV(‘09.08.2の記事)――給電が多少似ている、反射器付加

(5) その他
(a)2本のエレメントに給電するという意味ではHB9CVと同じですがフェーズライン
が不要で構造が簡単であるのは利点と思います。性能がどうなるか解りませんが、
2mや6m用の寸法が大きくなる移動用アンテナに良い?などと思っています。
(参照HPには6m用アンテナの寸法図が記載されています)
(b)SWR値は下がりましたが、前記、項目(4)の性能比較で「後方電界強度」が
かなり大きい事から、導波器からの反射がかなりあるのでは?(Ra1、Ra2
のみの2エレの状態では後方への簡易電界強度計の感度は有りませんでした。)
導波器の配置が他の二つのアンテナに較べて狭間隔なのも少し気になります。
4本の導波器が長さの中心から少しズレた位置でブームに支持(導通)している
事が影響しているのかな? 導波器をブームから絶縁して再配置するか?
前述のHB9CVの様に反射器を追加してみるとか?
(c)このアンテナの名前。参照HPでも「垂直指向性アンテナの別バージョン」と
呼んでいる(らしい---ロシア語のネット翻訳です)だけで 「正式の呼称」は
まだ無い( らしい―------同上-------- )。