(1) はじめに
引き続き
MMANAでAI(有馬温泉・いい湯だな)八木6エレをネタに遊んでいます。
「手動?」で行っていたエレメント配置が「最適化」の機能を(たぶん)使えるよう
になり、だいぶ楽になりました。
’12.11.23の記事の全長(反射器Reから最前端の導波器D4までの長さ)726mmの
「元祖6エレ」は計算利得Gaが10.35でしたが、その後のデータの修正でGa10.60
及び10.73dBiの2種類のデータが出来ました。(現物は作ってはいません)
「最適化」とは別に最初のエレメント配置次第でいろいろなアンテナが出来る様です。
今回は、その全長726mmの「元祖6エレ」を元に、反射器Reで遊びました。
(2) で、「反射器2本増設」の現物を作りました。

反射器Reは計3本。ブームの前方約45°に2本配置。 全長733mm
ブーム:φ4ステレンレス棒、エレメント:φ3黄銅パイプ
寸法です。反射器Re1のほぼ45°前方の、放射器Raのほぼ真横から170mm離れた
左右に反射器Re2を追加しました。Re2はφ3ステンレス棒で支持しました。

Raの長さを
MMANAの計算値よりも2mm短い346mmとしてSWRは428~438MHz
の範囲内で1.1以下になりました。
「反射器増設」、
給電部の造りは今までのAI八木と同じですが、今回は二液性エポキシ接着座剤で固定。
赤、青の球(マップピンの頭部です)を取り付けてあるのは、Re2を支持する為のφ3ス
テンレス棒を受ける支持パイプで、φ4黄銅パイプをブームに半田付けしたものです。

Re2を支持する、φ3ステンレス棒は写真の用に給電部(BNC)を挟んでブームとは
少し角度を付けて取り付けました。給電部とRe2の取り付け位置(Re1からの距離)が1mm
違いのほぼ同距離であった為の処置です。

分解時。偶然ですが、2分割したブームの長さと最長のエレメント(Re2)がほぼ同長です。

(3)比較
(a)簡易電界強度計での比較 (出力1W、距離2.4mでの最大指示値。)

「反射器増設」と「エレメント径φ6」で、
MMANAによるGa計算値と簡易電界強度計の指示値
とが逆転しています。製作寸法誤差による
MMANA計算値とのズレか? 簡易電界強度計
での測定も精度が良いなどとは言い難いのです。
(b)
MMANAによるビームパターンの比較。


‘12.11.18「全長984mm エレメント径φ6」は、陣馬山での運用でビーム切れすぎの感じでした。
(c)ブーム長の比較
上が「全長773mm 反射器増設」 下が「全長984mm エレメント径φ6」「元祖」の外観は
増設反射器ば無いだけで、「反射器増設」と全長もほぼ同じで、殆ど見分けがつきません。

(4)
MMANAによる計算はこんなふうに。
(a)始めに「元祖」のデータを修正して利得Gaを10.73dBiとしたデータを元に、
反射器エレメントの径をφ6にして、「最適化」したところGaは10.84dBiに。
次に、既設の反射器Re1と導波器Raとの間隔にほぼ同じ170mm離して左右に
2本配置し、ブームとの角度θを0~60°に変えて夫々「最適化」してみました。

一本だけの反射器をφ6にしただけではさほどの効果は無い様です。反射器を2本追加
した場合の利得、F/Bは、角度0°と45°が健闘している様です。
角度0°で左右のRe2の間隔を変えてみたところ240mmでGa:11.61、F/B:19.71と
最大に。この状態で、「最適化」を行ったところ、左右のRe2が前方に移動し約45°の
の位置に。このときSWR:1.00、Ga:11.35 F/B:21.69 インピーダンス44.95Ω-j0.032Ω
然しエレメント位置等の寸法がmmで小数点以下2位でした。数字を丸めると少しSWR
が悪化したのをエレメント位置、長さなどを手動で調整した結果のMMANAデータを下に
示します。今回作成の「反射器増設」です。

(5) その他
(a)反射器を2本追加した事で、実質は8エレのアンテナですが、通常の8エレ八木に
較べ利得は劣り、然し6エレ八木に較べ、利得が増加するがその割りにはビームが
切れすぎない。」とゆけば良いのですが。室内の簡易電界強度計でビームの切れを
判断するのは無理で、実地で確認する事になりますが、 ビームが切れすぎるなら、
以前に計算した全長600mmのAI6エレで再挑戦する手があるかも知れません。
こだわり過ぎは、美容と健康に悪いですが。
(b)今回の’12.11.28反射器増設は、Re2を約45°前方の放射器Raのほぼ正横に配置
する加工が少し面倒でした。Re2の配置を0°(反射器Re1の正横)に配置する方が
{(4)(a)の表にある0°ですGa:11.52 F/B:16.86}加工は容易です。

角度0°のRe2は、更に例えば「餅焼き網」で手軽に代用する事も出来そうです。
餅焼き網の様な平面状のエレメントをMMANAに入力出来るのか?はまだ調べて
いませんが、以前、餅焼き網を利用したアンテナを陣馬山で運用したところ、
「餅はどーした?早く焼いて喰わせろ」などフレンド局が騒がしく、餅焼き網と
口の悪いフレンド局には用心した方が良いかも知れません。
(c)ビームパターンの色を変えて重ね合わせて表示出来ないかな?と、フリーウエアの画像処理ソフトを探しました。そのような機能のソフトが幾つか見つかりましたが、
ビームパターンを重ねてみると、あまり鮮明な画像になりませんでした。
3種類のビームパターンの大きさを合わせる為「起きあがりポロンちゃん」の画像
を利用したのは、そんな訳です。