(1) はじめに
前回(’12.11.28の記事)のAI(熱海温泉も・いい湯です)6エレ八木は陣馬山頂で
運用して、ビームが切れすぎず良い感じでしたが感度は7エレ・位相給電ループ八木に
劣る様でした。
凝りすぎは身の毒。とは思いつつ、「もうちょっと利得大き目」を同じように反射器を
増設したAI6エレ八木で作りました。
先々月、AI八木の6エレを作ろうとした際に600~980mmの4種類のブーム長について利得などをMMANAで計算。前回はそのうちのブーム長733mm(Ga:10.35dBi)を
ベースに反射器を増設しました。今回はブーム長850mm(Ga:10.62dBi)をベースに
反射器を増設しました。尚、利得が一番大き目のブーム長980mm(Ga:10.79dBi)は、
反射器を増設しても「ビームの鋭さが さほど丸く?ならない感じ」でした。
(2) んで?
ブームはφ6薄肉ステンレスパイプ。各エレメントはφ3黄銅パイプ。後端付近の
両側に増設した2本の反射器エレメントはφ3ステンレス棒で支持。

MMANAの計算値通りの寸法でSWRは421~437MHzの範囲内で1.1以下でした。
簡易電界強度計 アンテナとの距離2.7m 出力1Wでの比較は、前回品370μA、
今回品400μAで少なくとも利得は大きくなった様です。ビームの切れについては
室内設置の簡易電界強度計では なんとも。
寸法

今回は増設反射器Re2は、既設反射器Re1の74mm前方の左右250mmに。
MMANAによるGa,F/B 計算値の比較

MMANAによるビームパターンの比較
今回(’12.12.11)はビームがかなり鋭く(比較の問題ですが)なりました。

ビームパターンの鋭さを比較する為の試みとして、中心から40°と50°でビームパターン
の横幅を(ディスプレイに定規を当てて)比較しました。
左側のパターンに黒細線で円形を描き込みました。円形の40°と50°での横幅は共に99
で、比は1.0です。前回(!12.11.28)反射器増設のビームパターンは緑線で、87と94で、
比は0.93。 右側の今回反射器増設のビームパターンの横は番は67と83で比は0.81。
今回は増設する反射器の位置を5種類変えて計算しましたが、見た目にビームパターンの
違いが解りにくく、無理に比較する為にこんな事をしてみました。(ビームの切れが一番
悪いのを選びました)但し、この方法では、ビームがもっと鋭い場合には「比」の差異が
小さくなり、比較が難しくなるかも知れません。
大きさの比較 上は前回(ブーム長733mm) 下は今回(ブーム長850mm)

分解状態 (ブームは約440mm長の2分割)

今回のアンテナのMMANAのデータ(アンテナ定義のNo,7,8が増設した反射器です)

(3) その他
(a)反射器、導波器はMMANAの計算値に切り、放射器aエレメントは少し長目に
しておき、SWRを見ながら切り詰めましたが、SWR最低値周波数が切り詰めるに
従い低くなりました。普通とは逆では?
(b)MMANAのアンテナ定義の計算値を小数点以下2位(mm単位)に丸めた事で、
大きくなったSWRを、エレメント位置の手入力修正で1.00に落としました。
エレメント位置を動かす事によるSWR計算値の変化が、大きいエレメントと
あまり変わらぬエレメントがありました。現物のアンテナでも位置精度の要否が
有るのかも知れません。