(1)はじめに
缶テナはグローバルアンテナ研究会が開発したアンテナです。
ビール缶を放射器とし、下部にラジアル4本を取付け。
自動車に取り付けると、走行中の変調のパサつきが無く良好でした。
酒は人類の敵。百悪の長ですから、コーヒーのボトル缶で作成。
('14.05.04「缶テナ」及び'17.10.17「缶缶テナ」の記事)より下図を抜粋。


(2)さてさて
昨年も同じ事をした('18.08.25の記事)のですが、
気温35℃の残暑の日。遊歩道の自販機で 炭酸飲料を購入。
¥110の500cc缶。飲み終えた缶を遊歩道に捨てるわけにもゆかず
持ち帰った缶の寸法はφ60*165mm。プルトップをそっと戻して接着。

缶底にM型コネクタとφ3黄銅パイプのラジアル4本を付け。ラジアルの
長さと角度で調整してSWRは423.4〜435.6MHzの範囲内で1.1以下。
簡易電界強度計距離2m、出力1Wで、過去の垂直系アンテナと比較

注1) ハットヘンテナ('17.07.13の記事)
注2) J型アンテナ('08.05.03の記事 及び '16.11.03の記事)
分解収納状態。
缶テナはラジアルを外しました。 重量98g(M型コネクタが重い)
ハットヘンテナは帯鋼エレメントとエレメント受けに分解。重量37g
J型アンテナは放射器(ロッドアンテナ)を縮小。重量47g

(3)缶テナ制作内容('18.08.25の記事と同じです)
(a)まずは缶底に垂直にM3ねじを立てます。

缶底の塗装を紙ヤスリで剥がし、缶底中央にM3*40ねじを挿通するための
φ3.2の穴を開け、φ3.2穴を中心に十字状にNTカッターで長さ10mm程度の
切れ目を入れ、缶底をまくり上げて、上の写真のM3ワッシャ及びφ16ワッシャを缶内へ。
缶底を戻して、φ24ワッシャ及びM3ワッシャで押えM3ナットできつく締め上げます。
(b)コネクタ、ラジアルの設置
ラジアル受けはM3・Fスペーサの片端から全長の約半分までM3ドリルで浚い、
φ3黄銅パイプを挿入&半田付け。缶底との絶縁のためにセロテープを巻きました。
φ24ワッシャの中央にMコネクタを立て、周囲に十字状にラジアル受けを配置して
両者を半田付けでφ24ワッシャに固定します。

(c)コネクタ、ラジアルを缶底へ取付け
缶底の周囲に4箇所φ3の貫通孔を缶底に水平に開け。(b)のMコネクタの
中心導体パイプに缶底に立てたM3*40mmねじを挿通し半田付け。
ラジアル受けを4箇所の貫通孔で「木綿糸+瞬間接着剤」で固定。
更に木工ボンドで補強。(耐水性が必要ならばエポキシ接着剤が良い)
ラジアル受けはMコネクタ外部導体と導通。セロテープで缶とは絶縁。
Mコネクタの中心導体はM3*40ねじとの半田付けで缶と導通。

(d)ラジアル
M3 M・FスペーサのF側をφ3ドリルで浚い、φ3黄銅パイプを挿入、半田付け。
M3 M・FスペーサのM側を前記のラジアルサポートにねじ込み固定します。
ラジアル先端はSWR調整後、目をつつかない様にマップピンの頭を接着。

(5)蛇足
(a) 原理としては1/4λのGPだろうと思いますが、放射器の径が大きい事で
見かけのオモシロさ以上に優れたアンテナになっていると思います。
(b))「セロテープ」と記載しましたが、透明なポリプロピレンのテープです。
接着力はセロファンのセロテープより劣る感じですが、絶縁性が良く
強度、耐久力もかなりあり、薄いですが絶縁テープとして充分と思います。
(c)ラジアルを分解可能にしたのは、ザックを背負っての移動運用のためです。
が、缶のつぶれ防止が難しく、中々持参する事が出来ません。
(d)当初はラジアルが僅かに下向きになるように設置しました。
ラジアルを切り詰めての調整で、SWR1.3までしか下がりません。
ラジアルをφ2黄銅針金で繋ぎ延長して再度SWR調整。
ラジアルを水平から僅か上向きにして、SWR下がりました。
コーヒーボトル缶の缶テナのラジアルは僅か下向きでした。
缶底の形状と関係するのでしょう。
